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NUU レコーディング日記

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第八月満月の夜の満潮時の歓喜の歌

5月28日発売。NUUニューアルバム『つんつん つるんぶ つるんぶ つるん』のレコーディング裏話をちょっとだけレポート!


2008年5月28日にNUUの新しいアルバム『つんつん つるんぶ つるんぶ つるん』がリリースされます!アルバムのレコーディング風景やインタビューを記録スタッフがちょこっとお届けいたします♪

***
4月3日(木)

「秋の夜の会話」に続いて、「第八月満月の夜の満潮時の歓喜の歌」。

NUUが共同プロデューサーの笹子さんと選曲をしていた時、笹子さんから
「草野心平さんのイメージというと、やっぱり擬音のユーモラスさだと思うんです。思い切りそういう”音”が入った曲が一つあってもいいかもしれませんね」
という意見をもらい、NUUが選んだのが「第八月満月の夜の満潮時の歓喜の歌」。

いわゆる日本語…というのでしょうか、私達が普段使っている言葉は一切出てこない。「わひわひ」とか「ぎやるるろ」とか「ぐりけっぷ」という言葉が句読点も無く並んでいる詩。

草野心平さんは、この詩で並べられた音が、いったい何の音なのか?ということを、全く説明をしていません。
ですから、私達は「第八月満月の夜の満潮時の歓喜の歌」というタイトルから推測するしか、ないのです。


これは……

やはり……


蛙でしょう!!


ということで、蛙達の”歓喜の歌”を録音することになりました。


草野さんの言葉の世界は本当に広い。私達が”言葉”だと思っているものは、本当の”言葉”の持っている力の半分にも届かないように思えてしまう。言葉とか音。もっと沢山の種類や、使い方があるはず。と気がつく。


そんな蛙ソングの作曲を担当したのも笹子さん。
「NUUの普通のアルバムとは違いますから、イベントというか…。お祭りというか…。あまり”NUUが唄うから…”というのを意識しないで、この詩を見て自分から出てきた音に忠実に作りました」
とおっしゃった。

笹子さんという人の中には、こういう音が鳴っているのですね…。

驚きと、その素晴らしさに衝撃!の一曲です。
確かに、NUUのアルバムでは今まで聞いた事がないリズム。というよりも、私は今までの人生において、こんなに不思議で短い曲は聞いた事がありません。曲が始まってから、終わるまで、なんと49秒。

しかも、草野さんはこの詩に「十四人以上の人物が同時に唱ふべき詩」と但し書きを付けている。

この曲を選んだ当初、NUUは
「友達とかに声をかけて、一緒に唄ってもらえばいいかな〜」
と思っていたそうなんですが、曲が出来上がってきて
「………これは。普段から唄を唄ってない人だと、難しいかもしれない…」
と思い直した。そのぐらい不思議なメロディーなのです!

そこで、歌手の方やミュージシャンの方でご協力頂ける方にお声をかけ、コーラスレコーディングをすることになりました。

参加して下さったのは
石塚明由子さん(from vice versa)、ecoさん、兼村綾子さん、佐野遊穂さん(ハンバートハンバート)、田辺玄さん(from WATER WATER CAMEL)、戸田和雅子さん、西本さゆりさん(Ett)、のぐちひろしさん、三木千夏さん、見田諭さん、佐野岳彦さん

そして、谷川賢作さん、笹子重治さん、

それにNUUを入れて、合計14人。

いえ、実際は16人。
実は、参加された方のうち、2名が妊婦さんだったのです!それまでがらんとしていたスタジオの中に人がわんさかやってきて、賑やかにレコーディングスタート。4人ずつブースに入って唄ってゆきます。

事前にメロディーを渡して聞いて頂いていた、というのもありますが、皆さん、素晴らしいチームワークを発揮して、コーラスを唄いこなします。

全員が同じ音を、同じリズムで唄うので、少しリズムが遅れたり、音が外れたりすると、目立ってしまう。もし自分がこの中に入っていたら…と思うだけで冷や汗がでるような状況だったのですが、みなさん、堂々とすぱっと歌い上げてゆく。さすがプロ!!「難しいねえ」と言いながらも、マイクの前での素晴らしい集中力でスピーディーにレコーディングは終了。

そして、歓喜の歌に参加した”蛙コーラス隊”の皆さんは、

笹子さんの歌がきけて良かった。
妊娠10ヶ月の良い思い出になった。
いい子が産まれそう。
知り合いにいっぱいあえて楽しかった。
これでよかったのかなあ…?
お疲れさまでした。
NUUばんざーい!
蛙になれてよかった。
ワヒワヒでムキになった。
NUUちゃんの踊りが良かった。
NUUちゃんのお葬式みたいだった。
壮大でした。
笹子さんのトラックが素晴らしかった。


などなど、楽しそうに感想を述べて、帰ってゆかれました。


皆さんがいなくなった後、
NUUも、同じようにコーラスを入れを開始。

蛙コーラス隊のみなさんは、素早くメロディーを覚え、2、3回でスパッと決めてお帰りになられた…。

きっとNUUもあっという間だろう。と思っていたのですが。


想像以上に苦戦し始めました。ま、またもや?

「鰻と蛙」の時と同じように、NUUの中にある”何か”と、笹子さんが作ったメロディーが一致するまでに、時間がかかる…。私がびっくりしていると、笹子さんは「鰻と蛙」の作曲者、夏秋さんと同様に
「まあ、こうなると思ってましたら。掴んじゃえば大丈夫なんですけどね。でも面白いよね〜。音符のある世界の人じゃないからね。唄う時、普通の人が使うのとは違う能力を使って唄ってるんだよ、この人」
と、落ち着いている。

前回のアルバム『縫う』の時には、NUUの唄入れの瞬間をあまり見学できなかったのですが、後から聞くと「ものすごくスムーズだった」と言っていたし、彼女自身が産んだ曲だと2、3回唄うともう完成してしまう場合が多い。しかし、今回は苦労している姿が、何度か見えてきた。

いつもあれだけ気持ち良さそうに、のびのびと唄っているのに、不思議。

改めて、

NUUが唄うのは、音符があるからでも、楽譜があるからでも、楽器を弾くからでもなく、体から自然と出てきているからなんだ、

と、実感する。

もともと唄や音楽は、楽譜があったから出来た物ではなくて、先に唄があって、それを書き残すために後から楽譜ができたはず。彼女がプロフィールで”詩を書き、曲を産み、唄う人”という表現を使っていることに、納得がいく。曲を産む。というのは、作曲、という言葉とは、少し違うかもしれない。

なんてことを、私がふむふむと納得している間にも

NUU「できなーい…。もうやだ…。なんでかな〜」
笹子 「(ギターでポローン♪)この音ですから…」
NUU「もう、そのギターの音聞くと、へこむ〜」
笹子 「(気にせず)じゃあ、もう1回”ぐりけっぷ”からいきましょう」


という会話が、レコーディングブースと、オペレータールームの間で、繰り返されていました…。

最終的には、しっかり音がNUUの体に入り、蛙コーラス隊の皆さんからぴょこん!と飛びだす事なく、NUU”蛙”の声が美しく重ねられたのでした。

残すはあと、3曲!
レコーディングも終盤に入ります!!

つづく

***

このレコーディング日記でお届けしているアルバム『つんつん つるんぶ つるんぶ つるん』に収録される草野心平さんの詩をNUUが歌うイベントが5月11日に福島県いわき市で開催されます!!「第八月満月の夜の満潮時の歓喜の歌」当日はどんな風に唄われるのか!ぜひ自分の目で確かめてください!!


『つんつん つるんぶ つるんぶ つるん 〜NUU、草野心平をうたう〜』

出演:NUU + 笹子重治(ギター)+夏秋文彦(ピアノ+鍵盤ハーモニカ)

日時:5/11(日)15:00開演(14:30客席開場) 
会場:草野心平記念文学館 いわき市
  (JR磐越東線「小川郷」駅より車で10分・駅から会場までの公共交通機関はございませんのでご注意下さい)
入場料:大人2,000円 高・高専・大生1,500円 小・中学生1,300円 (文学館観覧料含)

4月11日電話にて予約受付中!

ご予約:アリオスチケットセンター:0246-22-5800
    草野心平記念文学館   :0246-83-0005
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by recdiary | 2008-05-06 15:08
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