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NUU レコーディング日記

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こどく

5月28日発売。NUUニューアルバム『つんつん つるんぶ つるんぶ つるん』のレコーディング裏話をちょっとだけレポート!


2008年5月28日にNUUの新しいアルバム『つんつん つるんぶ つるんぶ つるん』がリリースされます!アルバムのレコーディング風景やインタビューを記録スタッフがちょこっとお届けいたします♪

***
4月4日(金)

の前に、まず4月3日(木)の続きから…。
「第八月満月の夜の満潮時の歓喜の歌」の唄入れが終わった後、その日最後の作業となる「デンシンバシラのうた」という詩の、ギターと唄の録音をした。

ちょっと前まで「音がどうしてもわからない…」と悩み続けていたNUUが、この曲は全然大丈夫〜、と鼻唄まじりに嬉しそう。なぜなら、この曲は彼女から産まれたメロディーをつけたから。もう、この曲は彼女の体に入っているからだ。

今回のアルバム『つんつん つるんぶ つるんぶ つるん』に収録される詩は8編。その内、NUUが産曲を担当したのは2編。普段のオリジナルアルバムよりもNUUがメロディーを産んだ曲が少ない分、この曲では、彼女の個性の輪郭がはっきりとしているように思う。「デンシンバシラのうた」は特に、NUUの持つ色っぽさというか、体からあふれるような抑揚が感じられて、他の曲との違いが楽しめる一曲。
笹子さんのいつもながらに鮮やかですっきりとしたサポートで、唄を入れ終えて、この日は終了となった。

そして、4日(金)。

この日最初のレコーディングは「こどく」という詩。

今回のアルバムのためにNUUが選んだ草野心平さんの詩の中で一番短い。3行。29文字。たったそれだけのひらがなだけで、風景を描いている。

この詩が発表されたのは、大正時代。でもここで描かれる風景は、平成時代に生きる私達にも全く違和感なく見えてくる。そのことからも、考え抜かれて、選ばれた”3行”だ、と感じる。


今回、草野心平さんの詩をNUUのアルバム作りと共に見てゆくことで、”詩人”という職業の素晴らしい技術の数々を実感する事ができた。

ひらがなを使うか、カタカナを使うか、

それとも漢字を入れるか、アルファベットか。

どのくらい言葉と言葉の間に”空間”をつくるか。

何行にするか。

句読点を打つのか、全部繋げるか。

すべて、考え抜かれて、使われている。


「こどく」を声に出して読んでみると、読むスピードが自然と遅くなる。読んでいるだけで、自分の呼吸がゆっくりになるような、そんな世界が描かれている。

この詩の作曲担当は、笹子重治さん。
彼が「こどく」という作品の風景を音で表現するために選んだパートナーは、笹子さんがリーダーを務める3人組弦楽ユニットCHORO CLUBのメンバー、バンドリン奏者の秋岡欧さん。

レコーディングが始まる前、秋岡さんはCHORO CLUBの長い歴史の面白話を色々と聞かせてくれました。まるで自然の音のような広がりのある世界を作り上げる3人組の、親子のような絶妙なバランスは、一日にして作られたのではないのだなあ…と改めて感動する。

そして、レコーディング。笹子さんは、秋岡さんに対して
「ま、アンビエントな感じで」
ぐらいの指示しか出していない。お互いが気になる事や、相手がやりたい事が、ほんの少しの言葉で通じる間柄。
また、NUUが笹子さんに
「この風景って、何時くらいだとおもいますか?」
と質問すると
「えーと、2時ですね!午後2時」
と、こちらも指示はひとこと。NUUと笹子さんもこのひとことで通じる間柄。
演奏が始まると、まるでここが海辺の午後2時になってしまったか!と思う程に気持ちのよい時間が流れ、2テイクで終了。結局1回目の録音がOKテイクとなった。

その後、パーカッションの渡辺亮さんが登場。
渡辺さんが自身が作ったオリジナル楽器「コンチェロ」を笹子さんが弾いて、できあがった「こどく」のメロディーにアクセントを加える。ベースのような音のこの楽器の「トン トン トン」という音が不思議に気持ちよく「こどく」の世界を盛り上げる。

最後に、渡辺亮さんのシンバルの音を重ねる。
詩とメロディーで出来上がった世界の中にパーカッションが入ると、その風景は一層具体的になる。空はもっと高く。木はより広々と葉を伸ばし、風はゆったりと流れる。

アルバムの中でも、ひときわ気持ちの良い一曲が、完成しました。

つづく
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# by recdiary | 2008-05-13 14:18

第八月満月の夜の満潮時の歓喜の歌

5月28日発売。NUUニューアルバム『つんつん つるんぶ つるんぶ つるん』のレコーディング裏話をちょっとだけレポート!


2008年5月28日にNUUの新しいアルバム『つんつん つるんぶ つるんぶ つるん』がリリースされます!アルバムのレコーディング風景やインタビューを記録スタッフがちょこっとお届けいたします♪

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4月3日(木)

「秋の夜の会話」に続いて、「第八月満月の夜の満潮時の歓喜の歌」。

NUUが共同プロデューサーの笹子さんと選曲をしていた時、笹子さんから
「草野心平さんのイメージというと、やっぱり擬音のユーモラスさだと思うんです。思い切りそういう”音”が入った曲が一つあってもいいかもしれませんね」
という意見をもらい、NUUが選んだのが「第八月満月の夜の満潮時の歓喜の歌」。

いわゆる日本語…というのでしょうか、私達が普段使っている言葉は一切出てこない。「わひわひ」とか「ぎやるるろ」とか「ぐりけっぷ」という言葉が句読点も無く並んでいる詩。

草野心平さんは、この詩で並べられた音が、いったい何の音なのか?ということを、全く説明をしていません。
ですから、私達は「第八月満月の夜の満潮時の歓喜の歌」というタイトルから推測するしか、ないのです。


これは……

やはり……


蛙でしょう!!


ということで、蛙達の”歓喜の歌”を録音することになりました。


草野さんの言葉の世界は本当に広い。私達が”言葉”だと思っているものは、本当の”言葉”の持っている力の半分にも届かないように思えてしまう。言葉とか音。もっと沢山の種類や、使い方があるはず。と気がつく。


そんな蛙ソングの作曲を担当したのも笹子さん。
「NUUの普通のアルバムとは違いますから、イベントというか…。お祭りというか…。あまり”NUUが唄うから…”というのを意識しないで、この詩を見て自分から出てきた音に忠実に作りました」
とおっしゃった。

笹子さんという人の中には、こういう音が鳴っているのですね…。

驚きと、その素晴らしさに衝撃!の一曲です。
確かに、NUUのアルバムでは今まで聞いた事がないリズム。というよりも、私は今までの人生において、こんなに不思議で短い曲は聞いた事がありません。曲が始まってから、終わるまで、なんと49秒。

しかも、草野さんはこの詩に「十四人以上の人物が同時に唱ふべき詩」と但し書きを付けている。

この曲を選んだ当初、NUUは
「友達とかに声をかけて、一緒に唄ってもらえばいいかな〜」
と思っていたそうなんですが、曲が出来上がってきて
「………これは。普段から唄を唄ってない人だと、難しいかもしれない…」
と思い直した。そのぐらい不思議なメロディーなのです!

そこで、歌手の方やミュージシャンの方でご協力頂ける方にお声をかけ、コーラスレコーディングをすることになりました。

参加して下さったのは
石塚明由子さん(from vice versa)、ecoさん、兼村綾子さん、佐野遊穂さん(ハンバートハンバート)、田辺玄さん(from WATER WATER CAMEL)、戸田和雅子さん、西本さゆりさん(Ett)、のぐちひろしさん、三木千夏さん、見田諭さん、佐野岳彦さん

そして、谷川賢作さん、笹子重治さん、

それにNUUを入れて、合計14人。

いえ、実際は16人。
実は、参加された方のうち、2名が妊婦さんだったのです!それまでがらんとしていたスタジオの中に人がわんさかやってきて、賑やかにレコーディングスタート。4人ずつブースに入って唄ってゆきます。

事前にメロディーを渡して聞いて頂いていた、というのもありますが、皆さん、素晴らしいチームワークを発揮して、コーラスを唄いこなします。

全員が同じ音を、同じリズムで唄うので、少しリズムが遅れたり、音が外れたりすると、目立ってしまう。もし自分がこの中に入っていたら…と思うだけで冷や汗がでるような状況だったのですが、みなさん、堂々とすぱっと歌い上げてゆく。さすがプロ!!「難しいねえ」と言いながらも、マイクの前での素晴らしい集中力でスピーディーにレコーディングは終了。

そして、歓喜の歌に参加した”蛙コーラス隊”の皆さんは、

笹子さんの歌がきけて良かった。
妊娠10ヶ月の良い思い出になった。
いい子が産まれそう。
知り合いにいっぱいあえて楽しかった。
これでよかったのかなあ…?
お疲れさまでした。
NUUばんざーい!
蛙になれてよかった。
ワヒワヒでムキになった。
NUUちゃんの踊りが良かった。
NUUちゃんのお葬式みたいだった。
壮大でした。
笹子さんのトラックが素晴らしかった。


などなど、楽しそうに感想を述べて、帰ってゆかれました。


皆さんがいなくなった後、
NUUも、同じようにコーラスを入れを開始。

蛙コーラス隊のみなさんは、素早くメロディーを覚え、2、3回でスパッと決めてお帰りになられた…。

きっとNUUもあっという間だろう。と思っていたのですが。


想像以上に苦戦し始めました。ま、またもや?

「鰻と蛙」の時と同じように、NUUの中にある”何か”と、笹子さんが作ったメロディーが一致するまでに、時間がかかる…。私がびっくりしていると、笹子さんは「鰻と蛙」の作曲者、夏秋さんと同様に
「まあ、こうなると思ってましたら。掴んじゃえば大丈夫なんですけどね。でも面白いよね〜。音符のある世界の人じゃないからね。唄う時、普通の人が使うのとは違う能力を使って唄ってるんだよ、この人」
と、落ち着いている。

前回のアルバム『縫う』の時には、NUUの唄入れの瞬間をあまり見学できなかったのですが、後から聞くと「ものすごくスムーズだった」と言っていたし、彼女自身が産んだ曲だと2、3回唄うともう完成してしまう場合が多い。しかし、今回は苦労している姿が、何度か見えてきた。

いつもあれだけ気持ち良さそうに、のびのびと唄っているのに、不思議。

改めて、

NUUが唄うのは、音符があるからでも、楽譜があるからでも、楽器を弾くからでもなく、体から自然と出てきているからなんだ、

と、実感する。

もともと唄や音楽は、楽譜があったから出来た物ではなくて、先に唄があって、それを書き残すために後から楽譜ができたはず。彼女がプロフィールで”詩を書き、曲を産み、唄う人”という表現を使っていることに、納得がいく。曲を産む。というのは、作曲、という言葉とは、少し違うかもしれない。

なんてことを、私がふむふむと納得している間にも

NUU「できなーい…。もうやだ…。なんでかな〜」
笹子 「(ギターでポローン♪)この音ですから…」
NUU「もう、そのギターの音聞くと、へこむ〜」
笹子 「(気にせず)じゃあ、もう1回”ぐりけっぷ”からいきましょう」


という会話が、レコーディングブースと、オペレータールームの間で、繰り返されていました…。

最終的には、しっかり音がNUUの体に入り、蛙コーラス隊の皆さんからぴょこん!と飛びだす事なく、NUU”蛙”の声が美しく重ねられたのでした。

残すはあと、3曲!
レコーディングも終盤に入ります!!

つづく

***

このレコーディング日記でお届けしているアルバム『つんつん つるんぶ つるんぶ つるん』に収録される草野心平さんの詩をNUUが歌うイベントが5月11日に福島県いわき市で開催されます!!「第八月満月の夜の満潮時の歓喜の歌」当日はどんな風に唄われるのか!ぜひ自分の目で確かめてください!!


『つんつん つるんぶ つるんぶ つるん 〜NUU、草野心平をうたう〜』

出演:NUU + 笹子重治(ギター)+夏秋文彦(ピアノ+鍵盤ハーモニカ)

日時:5/11(日)15:00開演(14:30客席開場) 
会場:草野心平記念文学館 いわき市
  (JR磐越東線「小川郷」駅より車で10分・駅から会場までの公共交通機関はございませんのでご注意下さい)
入場料:大人2,000円 高・高専・大生1,500円 小・中学生1,300円 (文学館観覧料含)

4月11日電話にて予約受付中!

ご予約:アリオスチケットセンター:0246-22-5800
    草野心平記念文学館   :0246-83-0005
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# by recdiary | 2008-05-06 15:08

秋の夜の会話

*最新ニュース!*
ニューアルバム『つんつん つるんぶ つるんぶ つるん』が、ご予約頂けるようになりました!!NUUこだわりのジャケット、ぜひ手にとって頂きたいです!
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5月28日発売。NUUニューアルバム『つんつん つるんぶ つるんぶ つるん』のレコーディング裏話をちょっとだけレポート!


2008年5月28日にNUUの新しいアルバム『つんつん つるんぶ つるんぶ つるん』がリリースされます!アルバムのレコーディング風景やインタビューを記録スタッフがちょこっとお届けいたします♪

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4月3日(木)晴

この日、私がスタジオに到着したとき、「第八月満月の夜の満潮時の歓喜の歌」のギターの録音を一足早く終えた共同プロデューサーの笹子重治さんが、ちょうど外出されるタイミングだった。のちほど!と言ってどこかへ行ってしまう…。まだ他の方はみえておらず、レコーディングの準備をしているスタジオハピネスの平野さんと少しお話。笹子さんは、この曲の録音を2テイクぐらいで済ませてしまったらしい…。
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**レコーディングが早い。笹子さん**

 平野さんがこのスタジオハピネスをスタートさせてから、今年でちょうど10周年。NUUと同じだ。
NUUと平野さんのお付き合いは、アルバム『あかり』から。あの頃と比べると、NUUちゃんはどんどん自由になってゆくよね〜、面白い!と言っていた。

 そこへNUU、今日録音する「秋の夜の会話」の作曲者の谷川賢作さんが登場。谷川さんは、前作『縫う』でも参加して頂いており、NUUの魅力とテンションをぐーん!と引き上げる力は人一倍なのです。おやつに置いてあるチョコレートを見て「チョコ食べると、テンションさがっちゃうんだよな〜」と言いながら、ぱくっと食べていた!NUUが「やめてくださいおよ〜」と笑う。相変わらず、息ピッタリな二人。

完成したアルバムジャケットやちらしを見てもらったりして歓談するうちに、笹子さんが戻ってきた。
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**谷川賢作さん。持っている楽器が「アンデス」。珍しそうに覗き込むのは、スタジオ猫のシロさん**

 前作のレコーディングの時に、「谷川さんにお会いすると、NUUのテンションが上がる」ということに気がついたのですが、今回のレコーディングでは「NUUのみならず、笹子さんのテンションも上がる」ことが判明しました。なんとなく”同年代(?)仲間”がいるのを喜ぶ感じで、ちょっと嬉しげです。そして三人の空気がふわんとあったまったところで、レコーディングスタート。

 この曲は、笹子さんのギター、谷川さんのアンデス(鍵盤ハーモニカの一種で、小学校などで使うリコーダーの音色を鍵盤ハーモニカで出すことができる楽器です)を録音、そして、NUUの唄を重ねてゆきます。
 「秋の夜の会話」は、その名の通り、秋の夜に、次の季節の予感を感じた蛙が、その思いを語る詩です。形式としては二匹の蛙の会話、なのですが、そこで、NUUが谷川さんに質問しました。
「この詩の、蛙って、二匹だと思いますか?私、頭の中の会話みたいな感じで考えているんですが…」
「うん。僕もそう思う。ついつい一人でつぶやいている感じ」

同じ詩を読んでも、人それぞれ感じ方が違うし、見えてくる景色も違う。どういう風に読まなければいけない。というルールもない。けれど二人は同じ空気をイメージして詩に向き合っていた。

体にあたる風がだんだんと冷たくなってきて、さて、冬がやってくるね。冬は寒いだろうな……。と、歩きながら考え事をするときのように。自分の考えに、自分の中のもう一人の自分が答える。そんな会話が唄になる。

谷川さんは、この詩をNUUから送られてきた時「自分らしい詩だな、良かったな」とまず思ったそうだ。そしてNUUの唄声や雰囲気を思い出しながらメロディーを作っていったという。実際に唄を入れてみたら想像以上だったようで
「詩の”切ない”っていうところ、いいね〜。いい感じ。惚れそう!あ、人柄じゃなくて、唄声ね」
「”さむいね”の”ね”の響きが本当にいい!!」
「唄声の中に、ところどころスマイルが見えたり。そういうところがすごいね〜」
とピンポイントで感心しきりだった。

確かに、イメージはしていても、実際に唄ってもらわないと、どんな仕上がりになるかはわからない。きっと谷川さんがイメージする”切なさ”をもっと広げる、そんな唄声だったのだと思う。
そして、そして、その世界のベースを支える笹子さんのギター。

 このように三人が演奏したり、唄を唄ったりしている間、私はぼけーっとしているわけなんですが、この曲は、びっくりする程に気持ちが引き寄せられた。秋の夜の切なさがこれでもか!これでもか!!と聞く側に押し寄せてくる。「せつない」を音にしたら、まさにこれだ!と思うくらい。涙がでるほど、切ないメロディー。

 短い詩が存在して、その詩にメロディーをつけて、唄にする。

 その時、3人の頭には、それぞれに景色が見えているように感じる。
声だけで、アンデスだけで、ギターだけで、その”景色”を表現できる人達。本当に達人だと、驚かされる。そして、その空気感を理解して、全体をまとめあげるエンジニアの平野さんも、すごい。

 最後に、”虫の音”を入れよう、ということになり、そこでちょっとバタバタ。それまで落ち着いて自分たちのパートをこなしていた3人がああでもない、こうでもない、と色々ためしている。鈴の音から、お金のちゃりん、という音、瓶を吹いて出す音や、その他色々、ためしてみては「それはちょっと…」と笑いながら却下したり、わいわいと作っていった。いったい、どの音が”虫”として採用されたのか?それは、ぜひアルバムで確かめてみてください!
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**飲んでいるのでは、ありません。**

 そして、ものすごく楽しくてテンションの高めの三人で、本当に切ない曲をあっという間に作り上げたのでした。

 そして、そして!
この後、次の曲の録音のために、大勢の蛙達がスタジオにやってくるのです!!

つづく


***
お詫びと訂正

前回の日記で
「百姓といふ言葉のピアノ」
という記述がありましたが、
「百姓といふ言葉」では、夏秋さんの担当は鍵盤ハーモニカでした。
大変失礼いたしました。
お詫びして、訂正いたします。

代田橋郁子
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このレコーディング日記でお届けしているアルバム『つんつん つるんぶ つるんぶ つるん』を
聞く事のできるイベントが5月11日にいわき市で開催されます!!

『つんつん つるんぶ つるんぶ つるん 〜NUU、草野心平をうたう』

出演:NUU + 笹子重治(ギター)+夏秋文彦(ピアノ+鍵盤ハーモニカ)

日時:5/11(日)15:00開演(14:30客席開場) 
会場:草野心平記念文学館 いわき市
  (JR磐越東線「小川郷」駅より車で10分・駅から会場までの公共交通機関はございませんのでご注意下さい)
入場料:大人2,000円 高・高専・大生1,500円 小・中学生1,300円 (文学館観覧料含)

4月11日電話にて予約受付開始

ご予約:アリオスチケットセンター:0246-22-5800
    草野心平記念文学館   :0246-83-0005
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# by recdiary | 2008-04-29 15:49

百姓といふ言葉は……


5月28日発売。NUUニューアルバム『つんつん つるんぶ つるんぶ つるん』のレコーディング裏話をちょっとだけレポート!


2008年5月28日にNUUの新しいアルバム『つんつん つるんぶ つるんぶ つるん』がリリースされます!アルバムのレコーディング風景やインタビューを記録スタッフがちょこっとお届けいたします♪

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3月19日(水)晴

「百姓といふ言葉」のレコーディング

夏秋さんの鍵盤ハーモニカの音にパーカッションを重ねてゆく。

今回のアルバム作りは、詩を選んで、作曲をして、録音する、という全ての作業が、かなり短い期間の中で早いスピードで進んでいました。なので、1曲のレコーディングに長い時間をかけたり、参加するミュージシャンとゆっくりアルバムの内容について話し合うことは、できません。そんな中で「百姓といふ言葉」に曲をつけた夏秋さんがパーカッションに選んだのは
「自分がつけたメロディーを、すぐに理解してくれてついてこれるパーカッションといえば、裕子しかいない!」
と絶対の信頼を置くUooMooの相棒、中北裕子さん。『ぬぅとうーむぅの深呼吸ライブ』でも一緒に活動している夏秋さん、裕子さん、NUUは、楽しそうに楽器を選んで、音を入れてった。

ザブンバ、ヘボロ、ジャンベ、ブガラ、ダラブッカ…
この世の中には、本当に沢山の種類の楽器があって、それぞれに名前がある…。特にパーカッションの楽器の名前は、まるで呪文のようだ。その中から「百姓といふ言葉」という曲にあう音を3人が探ってゆく。「ヘボロの音が”土”の感じがでるね」とか「野菜の名前は軽やかに聞かせたいから鈴が…」とか…。
歌の雰囲気を説明するのに「切ない」とか「やさしさ」とかじゃなくて「土」とか「野菜」がキーワードになっているのが面白い。NUUのアルバムらしい、と言えば、らしい。そして穏やかな鍵ハモの流れの上に、土を耕すような、パーカッションの音が重ねられた。
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沢山の楽器に囲まれる裕子さん♪

そして、NUUの唄入れ。
前回の「自分コーラス重ね録り」の時ほどではないけれど、今日も緊張している。唄い方について少し悩んでいた。
「普段の自分の唄だったら、ライブでいっぱい唄っていてイメージがあるんだけど、まだつかみきれてなくて…」
と言う。どんな唄い方がいいのかなあ、声を張ったほうがいいのか?優しい感じがいいのか?
「鋤とか鍬とか、使ったことないし。畑仕事をした事がないから、気持ちがわかんないよ〜」
なんて言っている。

夏秋さんは、あまり具体的な指示を出さないで本人が何かを掴むのを待っている。大変そうですね…、と夏秋さんに声をかけると
「いつも通り、NUUらしく唄えば、それでいいんだけどね〜」
と穏やかに答えてくれた。彼女が内側に持っているけれど、まだ開いていないドアが開くのを、待っている。これも信頼感の成せる技だ。



「百姓といふ言葉」という詩が作られたのは、昭和51年(1976)。草野心平さんが73歳のときに刊行された「植物も動物」という詩集に収められている。この詩の中で草野さんは、20年農業をやっているが、あこがれの”百姓”には、まだ遠い…、と(言葉は違いますが)書いている。

この詩集が発表されたのが73歳ということは、草野さんが農業を始められたのは50代の頃。と考えられる。そして、70代になられても、まだ、まだ、学ぶ事がある、という。

NUUはデビューをして今年で10年目。
10年だって長い。その倍の長さ。あと10年経っても、あこがれの状態には至っていない、と草野さんは言っている。それは、とても長くて果てしない道のりのようでありながら、でも、人生ってそういうものなのかな?という安堵感も伝えわってくる。

今感じてる不安や、わからない、という気持ち。それは、多分、すごく先になってもきっとある。でもそれは悪い事じゃなくて、ずっと続けてゆくっていうのは、多分、そういうことなんだ。

草野さんが荒れ地を耕したように、NUUもまた、これまでにやったことのない事にチャレンジしている。”畑を耕したことがない”NUUが、今唄える唄を、唄っている。

きっと、その”途上感”こそ、変化してゆく雰囲気を残した唄い方こそが、この詩にあっているんだ、と迷うNUUを見ながら思っていた。

そして、改めて「百姓といふ言葉」という詩の言葉は、農業だけじゃなくて、全ての職業に通じる。と気がつく。

たった一言に「はっ!」とする、感じ。
これこそが、詩の素晴らしいところ。
草野さんの偉大さを知る。

結局唄は、3回ぐらい唄ったところで、OKとなった。
最初の緊張感がほぐれて、NUUらしさと言葉の持っている力が
ひゅっと、一つになった瞬間に、できあがった。

その後「婆さん蛙ミミミの挨拶」という詩の朗読を録音して、
この日のレコーディングを終えた。


つづく
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夏秋さん、裕子さんとNUU


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このレコーディング日記でお届けしているアルバム『つんつん つるんぶ つるんぶ つるん』を
聞く事のできるイベントが5月11日にいわき市で開催されます!!

『つんつん つるんぶ つるんぶ つるん 〜NUU、草野心平をうたう』

出演:NUU + 笹子重治(ギター)+夏秋文彦(ピアノ+鍵盤ハーモニカ)

日時:5/11(日)15:00開演(14:30客席開場) 
会場:草野心平記念文学館 いわき市
  (JR磐越東線「小川郷」駅より車で10分・駅から会場までの公共交通機関はございませんのでご注意下さい)
入場料:大人2,000円 高・高専・大生1,500円 小・中学生1,300円 (文学館観覧料含)

4月11日電話にて予約受付開始

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# by recdiary | 2008-04-22 16:42

レコーディング初日 スタジオ・ハピネス編

5月28日発売。NUUニューアルバム『つんつん つるんぶ つるんぶ つるん』のレコーディング裏話をちょっとだけレポート!


2008年5月28日にNUUの新しいアルバム『つんつん つるんぶ つるんぶ つるん』がリリースされます!アルバムのレコーディング風景やインタビューを記録スタッフがちょこっとお届けいたします♪

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3月17日(月) スタジオ・ハピネス編

藤野から、びゅーんと車に乗って、スタジオ・ハピネスに移動。

まずは「鰻と蛙」の夏秋さんの鍵盤ハーモニカを録音しました。

夏秋さんは、午前中に録音したピアノの上に、様々な音程の鍵盤ハーモニカを重ねてゆく。ぴろぴろとした高い音から、蛙の鳴き声のような低い音まで。重ねられて、曲に厚みが出てくる。

 例えば、ピアノが縦糸で、鍵ハモが横糸みたい。ピアノの音の上に、新しい音が一本ずつ組みあわさるたびに、作曲者である夏秋さんの頭の中でできあがっている絵が少しずつ、私達に見え始める。

 そして最後に、その絵を完成させるべく、NUUの唄を録音。

 実は、この日、NUUはとてもそわそわとしていた。

 スタジオに到着する直前から、飲み物を準備したり、ストレッチをしたり、お茶を入れたり、ヘッドホンで唄を聞きながら歩き回ったり…。こんなに落ち着かないNUUの姿を見るのは、もしかすると初めてかもしれない。というくらい、そわそわとしている。
「唄う前って、すごく力が抜けちゃうんですよね〜」と言いながら、スタジオの中を歩き回る…しゃがんで…のびをして…声を出す。また歩く。

 「鰻と蛙」のヴォーカルは、いつものように唄うだけではなく、NUU自身が6種類ほどのコーラスを重ねてゆく、「NUUの声だらけ」になる曲。

 それが、ちょっとばかり、苦手な様子だ。

 一般的に、唄やメロディーを作るとき、ミュージシャンは、五線譜に音譜を書いて作ってゆく。リズムは何拍子。音はこの音…という感じに。
 でも、普段NUUが唄を産んでゆくとき、音階とかリズムとか、そういう基準を持たずに作り出してゆく。彼女の産み出す曲達は、実は、想像以上に、西洋音楽の枠組みに捕われていない自由な唄なのだ。
 だから、この和音に、この和音を重ねる…、とか、○拍子のリズムで全て整える…、なんていう作業は、楽譜を持たない彼女にとって、ちょっと難しい。
 いつもは、あんなにも自由に気持ち良さそうに唄っている彼女が、”ここは4拍子だから”とか”この音階で重ねて”と言われると、つまずいている…。不思議な光景。

 作曲者である夏秋さんは、特に怒りも急かしもせずに、何度もやり直しをさせる。鍵盤ハーモニカで、出すべき音をぷーっとならして、何度も確認する。この音だよ。この音にかさねるのは、この音で、このリズム…。もう、できないよ〜。なんて、NUUにしては珍しく、弱音もちらほら。

 ガギグゲゴー ラリルレロー カキクケコー ガッガッガー

 唄っているNUUも、聞いている私達も、だんだん何がなんだかわからなくなってくる…。何が正しく、何が間違っているのか?自分がどこを唄っているのか?はたして、これで唄になるのか?

 ただ一人、夏秋さんだけが、その全貌を知っている!

 そんな風にして出来上がった「鰻と蛙」。

出来上がりを聞いたら、なんとも不思議な世界が出来上がっていた…。
音蛙:夏秋文彦、唄蛙:NUU
というか…。

ぐるぐるとまわる螺旋階段を、てくてくと歩いているうちに、上がっているのか、下がっているのか、自分でもわからなくなるような。そしてそれでもずんずん進んでゆくと、そこには草野心平さんの世界が待っているような…、そんな曲となりました。

長ーい、レコーディング初日。

1曲目から、密度の濃いアルバムになりそうな予感が漂いました…。
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夏秋さんとNUU。こんな笑顔がいっぱいのレコーディングです。


つづく


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このレコーディング日記でお届けしているアルバム『つんつん つるんぶ つるんぶ つるん』を
聞く事のできるイベントが5月11日にいわき市で開催されます!!

『つんつん つるんぶ つるんぶ つるん 〜NUU、草野心平をうたう』

出演:NUU + 笹子重治(ギター)+夏秋文彦(ピアノ+鍵盤ハーモニカ)

日時:5/11(日)15:00開演(14:30客席開場) 
会場:草野心平記念文学館 いわき市
  (JR磐越東線「小川郷」駅より車で10分・駅から会場までの公共交通機関はございませんのでご注意下さい)
入場料:大人2,000円 高・高専・大生1,500円 小・中学生1,300円 (文学館観覧料含)

4月11日電話にて予約受付開始

ご予約:アリオスチケットセンター:0246-22-5800
    草野心平記念文学館   :0246-83-0005
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# by recdiary | 2008-04-16 16:18