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NUU レコーディング日記

nuunuunuu.exblog.jp

ミキサーさん

記録スタッフがお届けするNUU『縫う』レコーディング日記。
レコーディング風景をちょっとずつ皆さんにお送りしております!

今日は、音楽作りにかかせない「ミキサーさん」について。

レコーディングスタジオには、「卓(タク)」と呼ばれる作業スペースがあります。そこには、沢山の機械が詰め込まれていて、マイクで集めた音を一番良い状態で保存する為の色々な機能がある。そして、それを操作することのプロフェッショナルの方がいて、その方のことをミキシングエンジニア(ミキサー)さん。というのです。

今回のレコーディングでは、犬塚博子さんと依田慶子さんという二人の女性が担当しました。

実際にレコーディングが行われている最中、お二人に話を聞くチャンスというのは、ほとんどありませんでした。なぜならば、ずっとお仕事をされているからです。

誰よりも先に準備を始めて、終わったらスタジオの中を元通りにして最後に出る。ミュージシャンの方の演奏の合間にはマイクを直したり、音を調整したりの準備がありますし、人が入れ替わったり、楽器が変われば、マイクの位置も音のセッティングも変更しなければなりません。そしてもちろん演奏中は、神経をとがらせて、マイクにノイズが入っていないか?ちゃんとバランス良く録音できているか?などを聞き取らなければなりません。

もう、とにかくずっと働いているのです!

そんなわけで、お二人にお話を聞けたのは最後の日になってからでした。

「すごく段取りがいいレコーディングだった。予定通りだったし、何よりいい雰囲気で進んでたよね。それって当たり前のようですごく難しいんだよ。段取り良くやるためには、しっかり準備をしておく必要があるからさ。NUUちゃんと笹子さんがしっかりとスケジュールを作って準備をしていたから、できたんだと思うよ」と言っていたのは4枚目のアルバム『あかり』でもお世話になった犬塚さん。

なるほど。私から見ると当たり前のように進んでいたレコーディングだけど、ミュージシャンの方に必要な時間、準備や片付けに必要な時間がきちんと整っていたから、ちゃんと進んでいたのか〜、と始めて気付く。
時間通りに進めば、イライラしたり、焦ったりすることもない。
ただ音が録音できるのが「良いレコーディング」じゃなくて、ミキサーさんも含めた全員が気持ちよく仕事できること。それもすごく大事なことなんですね。
犬塚さんは”男前”な性格のお姉さんで、困った時に頼りたくなっちゃう感じの方。テキパキしつつも、面白くて、後ろ姿がかっこ良かった。

そして、もう1人の依田さん。彼女はNUUのデビューアルバムのレコーディング、3枚目のアルバム『唄波』でもお世話になった方で、3年ぶりの感動の再会!彼女はいつもニコニコと朗らかで、ふんわりとした言葉で話してくれました。
「最初に会った頃と比べると、NUUちゃん、すごく良くなってるね。彼女自身が自由になっているというか。一緒にやっていて楽しかった〜」
と語ってくれた。

NUUの3枚目のアルバムのレコーディングの時、
マイクの前に立ったNUUが、思うように唄えない日があったという。

そのとき、

「じゃあ、ちょっとだけ休憩して、それからやってみようか」

と声をかけたのが依田さんだったという。

NUUにとって、その瞬間のやさしさが、どんなに嬉しかったか。
考えるとじん…ときてしまいました。

演奏したり、唄ったりする人の気持ちをほぐすこと。
実は、これも、ミキサーさんの大切なお仕事のうちの一つなのです。

レコーディング中、みんなそれぞれの仕事に夢中になる。
そうすると、一人一人の歯車が合わなくなってぎくしゃくしてしまう事も、もちろんある。そんな時に、ちょっと声をかけたり、気持ちを盛り上げたりすることができるのがミキサーさん。

犬塚さんも、依田さんも
音を作るだけでなく、参加する人たちがいい音を出せる(唄える)環境づくりもしっかり心を込めてやっているように感じました。

実際にどんなバランスで音を録音したのか?
NUUの声をどんな風に録音したのか?

そういったプロの事は私には一切わかりません(すみません)。
でも、とても素晴らしいお仕事をされていることは、
間違いないです!
*********

* 『縫う』発売記念&NUUの生まれた日ライブ &
    ライブツアー チケット予約受付中! *

アルバム発売まであと少し!!そして、発売記念ライブもあと少し!!

6月17日(日)に、アルバム『縫う』発売記念&NUUのうまれた日ライブが青山 草月ホールで開催決定。その他、大阪、名古屋、奄美大島、喜界島、沖縄、浜松、尾道、広島、松山、岡山、金沢など各地をまわる『縫う』発売記念ライブツアーも予定しています!

ライブの詳細、ご予約は「NUUオフィシャルHP」からどうぞ。
# by recdiary | 2007-06-03 11:19

「スープ食べよう」に、原田郁子さん、ハナレグミさん登場!

記録スタッフがお届けするNUU『縫う』レコーディング日記。
レコーディング風景をちょっとずつ皆さんにお送りしております!

5月2日

高津のスタジオに、原田郁子さんとハナレグミさんがやってくる。
「スープ食べよう」にコーラスで参加してくれることが決まったのです!!

NUUは以前からクラムボンとハナレグミの大ファン。

原田郁子さんとの出会いはNUUのラジオ番組「さびしさ研究所」。NUUが”原田さん好き”と知った番組ディレクターが「それならば」とゲスト出演を依頼したのがきっかけでした。番組でもとても楽しい時間を過ごし「いつか一緒にやりたいね」と話をしていた人。
そして、ハナレグミさんとの出会いは沖縄。NUUがハナレグミファンだと知っていたNUUの友達からのご紹介で、その時ちょうど沖縄にきてたハナレグミさんと2人でシークレットライブを行ったのがきっかけでお知り合いになり、「また一緒に…」と思っていた人。

今回のアルバムではNUUのその2つの夢が一度に叶ってしまった…というわけです。


スタジオにやってきて、しばしおしゃべり。のんびりとした雰囲気の中、
二人に「スープ食べよう」を1回通して聞いてもらいます。

聞き終えたところで、どの部分にコーラスを入れてもらいたいのかを笹子さんが説明。「コーラスって言っても、ちゃんと重ねてほしい、とかではなくて。お二人に自由に唄って頂ければけっこうですから…」
そして早速レコーディング開始!となり、スタジオのドアを開けた時、目の前にあったのは

数々のパーカッションやドラムセット。

「うわ〜!!太鼓がいっぱいある〜!!」

と、叩き始める二人。すっごく楽しそう。マイクのセッティング等を行う間、スタジオ内に置いてある数々の太鼓を叩く!叩く!そして唄い踊る!

唄入れを始める前に、力を使い果たしちゃうんじゃないだろうか…と心配になるぐらい元気一杯にはしゃぐ二人。そして、コーラスの録音を始めました。

すると、さっきまでのパーカッションで喜んでいたテンションそのままに、唄のなかではしゃぎまわりはじめました!スタジオの中で飛んだり、はねたり、手を振ったりしながら、NUUの唄にあわせて思い思いの言葉や音を加えてゆく二人。

楽しい空気がどんどん生まれてきます。

最初、NUUの中から生まれてきた「スープ食べよう」という唄。
そこに、センチメンタル・シティ・ロマンスによって”美しい夕焼け色”の風景が描かれて、今日、原田郁子さんとハナレグミさんによって、その風景の中に、走り回る子供の姿がより一層はっきりと浮かんできました。

いっぱい遊んで、いっぱい走って、お母さんと美味しいご飯の待つお家へ向かう子供の姿。

ついさっき1回聞いただけなのに、二人の頭の中には「スープ食べよう」イメージが唄いながらどんどん広がっている様子。”自由に唄ってください”って言われても、あそこまで”自由”にできるのは、きっとこの二人だから。本当に唄うのが好きな人たち。素敵な唄を楽しんで作れる人たち。NUUも笹子さんも大満足です。想像以上のコーラスがあっという間にできあがりました。。

「こういうコーラスだったら、いくらでも出来るよ!すごい楽しかった〜」と本人たちも楽しんでくれた様子です。

凡人の私には想像できないぐらいバラエティーに富んだコーラス。
言葉一つ一つが本当にかわいいです。ぜひCDを良く聞いて確認して頂きたい。
私は「さめちゃうよ〜」が好きです。あと「ぐつぐつ」。
どのあたりでどちらが言っているかは、聞いてからのお楽しみ!探してみてください〜。

レコーディングを終え、お茶を飲みなが少しおしゃべり。
二人にNUUの印象を聞いてみると、
ハナレグミさんは

「ツチノコだね!」

という。

私とNUUの頭の中にはあの、不思議な形のナゾの生き物が浮かぶ。ツチノコ…??

「違う。土の子。大地の子。元気一杯のどろんこで遊んでる子だね〜」

よかったツチノコじゃなくて。

そして、原田郁子さんは

「なんかね〜、私と同じにおいがするね〜。風の子だね〜。きっと走り回って遊んでたね」

とのこと。

どちらかというと、お二人のほうが土の子で風の子のような気が…と思ってしまった私です。

そして、元気一杯な二人は「あの太鼓、ほしいなあ〜」と言いながら帰っていったのでした。
「スープ食べよう」に、原田郁子さん、ハナレグミさん登場!_d0122500_10481847.jpg

つづく

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6月17日(日)に、アルバム『縫う』発売記念&NUUのうまれた日ライブが青山 草月ホールで開催決定。その他、大阪、名古屋、奄美大島、喜界島、沖縄、浜松、尾道、広島、松山、岡山、金沢など各地をまわる『縫う』発売記念ライブツアーも予定しています!

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# by recdiary | 2007-06-02 10:57

「あけび」   〜NUUの唄入れ〜

記録スタッフがお届けするNUU『縫う』レコーディング日記。
レコーディング風景をちょっとずつ皆さんにお送りしております!

アルバム『縫う』のレコーディング記録係として、その様子を見たり、ミュージシャンの方にお話を伺ったりするためにスタジオに通っていたのですが、事前に「来てください」と言われた日程の中にNUUの唄入れの日が入っていませんでした。

きっと、唄入れは緊張感が大切で、部外者を入れない環境で行われるのだろう。私のような関係ない人が座ってたりすると気が散っちゃうから呼ばれないんだろうなあ。
と、勝手に解釈して、お邪魔していなかったのですが、後日NUUより「すっかり忘れていた!見に来てもらえば良かった!!」と言われてしまいました。「参加してくださったミュージシャンの皆さんにインタビューをして欲しいって事ばっかり考えてて、自分も取材される対象だってことを忘れてました…」とのこと。あら。残念。

そんなわけで、後日改めて「唄入れ」についてNUUに話を聞いてみました。

唄入れの日。
NUUはよく変な夢をみて目覚めたり、朝、ちょっと気になることがあって、それが頭から離れなくなったりするらしい。そしてスタジオへ向かう電車の中で「あ〜。今日はちょっと変な朝だったから、上手く唄が唄えないかもしれない」と、思ってしまったりするというのだ。

でも、実際にスタジオに入って、ストレッチをして、声を出してゆくうちに、唄の世界に入っていって、自分が調子悪かったことも忘れてしまう。そして唄うとすっかり気持ち良くなって、いい気分でレコーディングを終えるんだそうです。

つまり、

すごおく緊張してレコーディングに臨んでいるっていう事ですね。

NUUはステージでも、レコーディングでもみんなを笑わせたり、和ませたり、気遣いの細やかな女性だなあと感じてはいたのですが、やっぱり自分の唄入れの時には、そういう側面ではなく、唄を唄うことに集中している…ということが見えてきました。

唄うこと。
それは彼女にとって当たり前であり、仕事であり、好きな事であり、でも、不安も、疑問も抱えていて、それをしっかり乗り越えてやっている。私たちが聞いているのは、そういう”乗り越えた”声なんだよなあ、と感じました。

NUUのそういった”唄うプロ”としての側面を一番近くで見ているプロデューサーの笹子さんに「スタジオに来た時に調子悪い、って聞くと心配になりませんか?」聞くと「NUUは自分の唄入れの日は、いつも”調子悪い”っていいながら来るから、もう聞きません。気にしない。ウソばっかり!と言いたくなるような、いい唄を唄うんだから、この人は」
と、すっかり慣れっこの模様。。この放任な感じが、二人の信頼関係の強さを物語っています。

もちろん唄ってすぐOKになる曲も、何回か唄いなおして、やっと納得のいく仕上がりになる曲もあるわけですが、笹子さん曰く「ほとんど最初か、2、3回目のテイクでOK。あとは本人が”納得できない!!”と言うときにもうちょっとやりますけど…。でもそれほど手こずるということは、ないですね。ライブでしっかりとベースができているから、同じようにいい唄を唄ってます」と太鼓判でした。


***

そして、今までレコーディング日記に登場していなかった曲「あけび」は、
NUUの声と、笹子さんのギターだけで唄入れの日に録音されました。

NUUと笹子さんは、別々の小さなブースに入っての録音。

そこのスタジオはそれぞれの場所から他の人がいる場所が見えないので、お互いの顔が見えない状態で演奏しなければなりません。しかも「あけび」は唄いだしと演奏の始まりがほぼ同時。

私は現場にいなかったのですが、NUUによると、
「唄い始める前に、私が息をすったそのブレスの音を聞いて、バッチリのタイミングで笹子さんが弾き始めてくれたんです。合図も、カウントもなしでやれたの。見せたかった〜」とのこと。はい、見たかったです。

今回のアルバム『縫う』の中で、笹子さんのギターだけでNUUが唄っているのは「あけび」だけ。NUUが普段のライブで唄っている雰囲気を味わえます。

楽器が沢山入ってゆくことで、世界が広がるのと同じように、
音をシンプルにすることで、世界が広がることもある。

言葉一つ一つの美しさが映える一曲になりました。

つづく

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# by recdiary | 2007-06-01 11:28

「いつもの道」

記録スタッフがお届けするNUU『縫う』レコーディング日記。
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この日最後の曲。「いつもの道」

「あの子の待つ、あの部屋にはもう帰らない」

と唄う、恋人同士のお別れを唄った曲。
本当に別れる瞬間というよりも、心の中で”ああ、もう自分たちは別れなくっちゃダメだ”と気がつく唄です。イタイ…。きっと誰しもどちらかの立場(振る、もしくは振られる)に立ったことがあるだろう、チクっとくるお別れの予感が描かれています。

今回のアルバムでは、いつもの笹子重治さんのギターに加えて、コーコーヤの黒川紗恵子さんのクラリネット、コモブチキイチロウさんのウッドベース、岡部洋一さんのパーカッション、谷川賢作さんのピアノが入り、一層ジャズっぽい雰囲気に磨きがかかりました。

クラリネットの色っぽい音色や、気持ちの悲しさを唄っているようなピアノで広がってゆく”別れの気持ち”が、コモブチさんのベースで、ぐっと引き締まる。ただよっていた気持ちがぎゅっと決意に変わる感じがでる。かっこいい。

「かわいらしい」「笑顔が浮かぶ」といった曲が多い今回のアルバムの中で、「大人っぽい」NUUを感じられる一曲に仕上がったのではないでしょうか…。


そして、この曲を聞いていると笹子さんのギターの素晴らしさを改めて感じる。

こうしてそれぞれの楽器が実際に入ると、その音がしっくりくるけれど、普段、NUUと笹子さんが二人でライブをする時は、このピアノもベースも、クラリネットも、パーカッションも、全ての要素を笹子さんは担っていたんだ、と気が付きました。すごいです。

特にやり直したりすることもなく、数回演奏してすんなりOK。

最後にみんなで曲を通して聞いて確認をして、レコーディングが無事終了したとき、コモブチさんが帰り支度をしながら、

「すごい楽しいレコーディングだった〜」

と言葉をもらした。

「本当ですか?嬉しい〜。よかった〜」

とNUUが答える。

こういうのいいなあ。と思う。
お世辞とかでもなく、遠慮とかもなく。

お互いがいいと思える仕事をして、その感想を述べて、素直に受け取る。

無駄のない会話だと感じた。

このアルバムを作っている様子をみていると、普段当たり前だと思う事が、とても貴重に感じることが何度もあった。

おいしいお弁当や、言葉には出さなくてもお互いを尊敬する気持ちや、自分の仕事に責任を持つ態度。笑顔。相手を大切にする気持ち。

今回『縫う』に参加してくださったミュージシャンの方とNUUとの間にはこういうまっすぐな関係が出来ている。こうして文字にすると、気恥ずかしい感じがありますが、それが行われている現場だったと感じました。

帰りの電車の中で、NUUのマネージャー酒井さんが
「レコーディング見られてよかった。NUUが良いアルバムを作っている現場を見たら一層やる気がでたよ!ブッキングもがんばるよ〜」
と言っていた。

良いアルバムを届ける、良いライブを届ける。
みんなそれぞれの場所でがんばっているのでした。

つづく

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# by recdiary | 2007-05-30 10:02

「すっぽんぽん」

記録スタッフがお届けするNUU『縫う』レコーディング日記。
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次の曲は、詩人の谷川俊太郎さんが作詞し、息子の谷川賢作さんが作曲した「すっぽんぽん」。オリジナルは岸田今日子さんと本木雅弘さんが歌ったもので、それをNUUがカバーすることになりました。

この曲をアルバムに入れるきっかけは、2月のライブで谷川賢作さんに出会ったことだったという。

昭和の歌を歌う、というライブで意気投合した谷川さんに「実は自分が新しく作るアルバム『すっぽんぽん』をカバーさせて頂けないか?そしてアレンジも、して頂けないでしょうか!」とお願いした。「2月のライブでも唄ったんですけど、すごく自分らしいというか。楽しかったから、この曲にさせてもらった」とNUUは言う。賢作さんも「岸田さんと本木さんが歌ったときとは全然違うアレンジにしました。NUUちゃんが唄うためのアレンジに。彼女は本当に唄が上手い!そしてキュート!NUUちゃんのかわいらしさと、元気な感じが出てると思う」とおっしゃっていました。

それにしても。

2月に初めて会って、4月に一緒にレコーディングをお願いするなんて、NUUって勇気があるんだなあ…と感じていたのですが、実際に谷川賢作さんとNUUが一緒にいる様子を見ていると、「勇気」ではなくて「ご縁」かもしれない、という気分になってくる。

谷川賢作さんとNUUは仲が良い。もちろんNUUはどのミュージシャンの方とも仲が良いのですが、賢作さんと一緒にいると、テンションの上がり方が他の方と違う。
幼稚園で子供同士が遊んでいて、どんどん楽しくなってじっとしていられなくなるみたいに、はしゃぎはじめる。黙っていても、体が自然に動き出す。NUUは椅子に座っていても、足をぶらぶらさせて「た〜のし〜な〜」と言いながら目をキラキラ。賢作さんもマーチのような元気な曲調を指揮をしながら、ベートーベンのようなカーリーヘアをぶんぶんふりまわす。二人は年齢もキャリアも違うけれど、何か通じている。きっと子供の頃に出会っていたら、一緒に家の中を駆け回ってお母さんにこら!っと怒られている姿が想像できる、そんなお二人でした。

そして、レコーディングスタート。
今回のアルバムに収録される中では数少ない「新曲」。NUUは「唄い慣れてないから、なんだか気持ちが焦っちゃうなあ」と言っていたが、聞いているこちらは全然そんな感じはなく、気持ちよく唄の世界に入って楽しんでいるようにみえる。

この曲には、トランペット、サックス、トロンボーンのイケメンホーンズ(谷川賢作氏命名)が参加。NUUと一緒にいる時はまるで子供みたいな賢作さんもホーンズの3人を前にするとキリっと先生の顔。口調は優しいけれど、どんな風に強弱をつけるか、ここはやさしく、ここは思い切り…と、自分が何を求めているのかを短く的確に表現してゆく。

そして、この曲でも岡部洋一さんがパーカッションの音が重ねられてゆく。
もう、この曲を最高潮に盛り上げてくれるトーキングドラムが登場した時には、音を聞いているだけで踊りだしたくなる!!NUUは実際に踊っていた!
トーキングドラム、という楽器はその名の通りまるでしゃべっているみたいな音がでる太鼓。和楽器の鼓(つづみ)のような形をしていて、脇に抱え込むようにして持って叩くのですが、本当に音に表情がある。岡部さんは自由自在にあやつって、曲を盛り上げてゆく…。

そうしてアルバム『縫う』の中でも一番の元気いっぱいな楽曲ができあがりました。

レコーディングにお邪魔していて、私は座敷童のようにはじっこに座っているわけなのですが、みていると本当に楽しい。初日も「レコーディングってこんなに楽しいものなのか!」と驚いたけれど、次の日も、その次の日とも来るたびにその楽しさが増してくる気がしてしまう。もっと聞いていたいなあ〜、なんてのんきに思っておりました。

でも、こんな楽しいこの日のレコーディングも残すところ、あと1曲となったのでした。

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無事に演奏を終えた3人は「面白いレコーディングだった〜。このメロディが頭から離れない!」「結婚式で唄っちゃおうかな?すっぽんぽんで」と言いながら帰っていかれました…。

つづく

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* 『縫う』発売記念&NUUの生まれた日ライブ &
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6月17日(日)に、アルバム『縫う』発売記念&NUUのうまれた日ライブが青山 草月ホールで開催決定。その他、大阪、名古屋、奄美大島、喜界島、沖縄、浜松、尾道、広島、松山、岡山、金沢など各地をまわる『縫う』発売記念ライブツアーも予定しています!


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# by recdiary | 2007-05-29 09:14